近年、「癒し」という言葉をキーワードに手技治療を提供するビジネスが広がってきました。そして今や社会的にも産業として確立されつつあります。これからのビジネスは本来、病院に行くまでもない、しかし疲れた、気分がすぐれないという方々に元気になっていただこうと日本古来の「手当て」の心を持った人達が自然発生的に始めたものです。その点から言うと手技治療産業は真にお客様の要望から生まれたものであると言えます。
しかし、手技治療業界には明確な基準が存在していません。そのため消費者(お客様)は手技治療サービスを各自の基準で判断せざるを得ない状況となっています。それゆえ、時として消費者の希望するサービスを十分に提供されないという問題が生じます。
また、従事者においても知識・技術等を明確に判断する基準がないため客観的な評価を受ける事ができず、不安定な報酬での労働を余儀なくされており将来を不安視するといった問題も生じています。
このように他の業種に比べ社会的な信用が低いのが現状です。
手技治療業界には医療業界との明確な境界線が存在していません。そのため私たちはその境界線を先ず自分達で作らなければならないと思い至りました。そしてその境界線を決めるために医療業界の方々と手技治療業界の方々とが意見交換し、一日でも早くその境界線を確立させる必要性を感じています。
手技治療家協会はこの大きな可能性をさらに現実的なものにしていくお手伝いができればと強く思っています。 |